追記: 2026年6月10日の最新情報
2026年6月10日にKiro公式ドキュメントを再確認しました。チーム導入では、Specs、Steering、Hooks、MCPに加えて、SkillsとPowersの置き場も分けてください。KiroのAgent Skillsは、instructions、scripts、templatesをまとめるportableなinstruction packageとして説明されています。SteeringはKiro固有のproject context、PowersはMCP tools、knowledge、workflowsをまとめるbundleとして扱うと判断しやすくなります。
MCP連携を配布したい時は、PowersにPOWER.md、MCP server configuration、必要なSteeringやHooksを含める形が公式docsで説明されています。一方、team共通の再利用手順やtemplateはSkills、project固有の命名規則や設計方針はSteeringに寄せるほうが、あとから責任範囲を追いやすくなります。
monorepoや複数rootのworkspaceでは、multi-root workspaceの扱いも確認してください。Kiroはrootごとの.kiro配下からSpecs、Steering、Hooksを扱うため、どのrootにSpecを作るか、Hookがどのrootの変更で動くかを導入ルールに入れておく必要があります。AI向け指示ファイル全体の設計はAGENTS.md標準化の記事、外部tool選定はMCP Registryの記事も合わせて確認してください。
このテーマをもう少し広げて見るなら、AGENTS.md標準化の実務影響:AIコーディング指示ファイルをチーム運用に入れる判断基準 と MCP Registryからサーバーを選ぶ前に:OAuth・tool poisoning・allowlistの安全な見方 も合わせて確認してください。KiroのSteeringやSkillsと、repo共通のAGENTS.mdをどう分けるかを考える導線になります。
3行まとめ
要求、設計、タスクを分ける。
project知識をmarkdownで残す。
反復作業をeventで自動化。
外部toolの入口を管理する。
Kiroは、実装前の合意をfileに残すところから始めます。
- Kiroは、自然言語の依頼をrequirements、design、tasksのSpecへ分け、実装前に合意を残せる点が強みです。いきなりコード生成へ進めず、phaseごとにreview gateを置きます。
- project横断の知識はSteering files、反復作業はAgent Hooks、外部toolはMCP Servers、配布可能なbest practiceはPowersへ分けると運用しやすくなります。
- 初回導入では、1つの小さなSpec、3つのSteering docs、MCPなし、軽いHookだけに絞り、実装速度よりレビュー可能性を確認します。
本文の事実確認には、Kiro公式docs、AWS documentation overview、Kiro Powers docsを使っています。Xで見かけるKiro、spec-driven development、steering files、agent hooks、MCPへの投稿は需要シグナルとして扱い、本文の根拠にはしていません。
この記事でわかること
requirements、design、tasksを分ける。
steeringに置くproject知識。
hooksで何を自動化するか。
MCPとPowersの権限を確認。
Kiroは、vibe codingをspecに変える設計で使うと価値が出ます。
- KiroのSpecs、Steering、Hooks、MCP Servers、Powersの使い分け
- requirements、design、tasksをどこでreviewするか
- Steering filesに置くproject知識と、Specに置くfeature計画の違い
- Agent Hooksで自動化してよい作業と避けたい作業
- MCP ServerやPowerを入れる前の権限確認
- 初週にどこまで導入すればよいか
AI coding agentを使う時に難しいのは、コードが出ることではなく、何を作る合意だったのか、どの設計を選んだのか、どのtaskが終わったのかを後から追えることです。Kiroは、そこをSpecとしてfileに残す設計が特徴です。
この記事では、Kiroをチームに入れる前に、仕様化、project知識、自動化、外部tool、共有bundleを分けて整理します。
前提知識
| 項目 | 内容 | 見方 |
|---|---|---|
| Specs | requirements、design、tasksを生成。 | |
| Steering | project contextをmarkdownで提供。 | |
| Hooks | fileやagent eventで自動実行。 | |
| Powers | MCP、steering、hooksを束ねる。 |
Kiroの拡張は、仕様化と自動化を別々に見ます。
AWS documentation overviewでは、Kiroを、promptをdetailed specsへ変換し、working code、docs、testsへ進めるagentic coding serviceとして説明しています。Kiro公式docsでは、KiroはSpecs、Steering、Hooksを備えたagentic IDEとして説明されています。
First project guideでは、Steering files、Specs、Hooks、MCP serversを実際のprojectで使う流れが説明されています。Steering docsは .kiro/steering/ に保存され、product、technical stack、project structure、conventionsなどをKiroへ伝えます。Specsはrequirements、design、tasksの3phaseでfeature計画を作ります。
この記事の扱う範囲
| 項目 | 役割 |
|---|---|
| Specs | featureごとのrequirements、design、tasksを管理する |
| Steering files | project横断の知識、規約、stack、構造を伝える |
| Agent Hooks | file event、prompt lifecycle、tool use、spec task eventで自動処理する |
| MCP Servers | docs、database、APIなど外部tool/data sourceへ接続する |
| Powers | MCP、steering、hooks、guidanceをbundleとして共有する |
| Review gates | Spec phaseごとに人間が確認する場所 |
2026年5月31日時点で公開されているKiro公式docsとAWS documentation overviewを確認しています。導入時には、利用中のKiro version、teamのAI tool policy、MCP接続先、Hooksで自動実行する内容を確認してください。
注意点
この記事は、Kiroに大きなfeatureを丸投げするための記事ではありません。Specを使って、要求、設計、taskを人間がreviewできる状態にするための記事です。
まず4つの置き場所に分ける
| 項目 | 内容 | 見方 |
|---|---|---|
| Spec | featureごとの合意と作業計画。 | |
| Steering | project横断の知識と規約。 | |
| Hook | eventで起きる自動処理。 | |
| MCP | 外部toolやdata source。 |
実装taskを増やす前に、情報の置き場所を決めます。
Kiroをチームで使う時は、情報と実行の置き場所を4つに分けます。
| 置き場所 | 向くもの | 避けたいもの |
|---|---|---|
| Specs | feature単位の要求、設計、task | project全体の永続的な規約 |
| Steering | project構造、stack、coding standards | 1featureだけの細かいtask |
| Hooks | file保存時やspec task前後の反復処理 | 大きな設計判断 |
| MCP Servers | 外部tool、API、docs、database | 手順や規約の本文 |
この4つを混ぜると、Kiroが何を根拠に判断したのか追いにくくなります。たとえば、feature固有のacceptance criteriaをSteeringへ置くと、別featureにも効いてしまいます。逆にproject共通の規約をSpecへ閉じ込めると、次のfeatureで再利用されません。
Specをproject規約にしない
Specはfeature計画です。project規約やteam standardはSteeringやAGENTS.mdへ置きます。Specに毎回同じ規約を書くより、Steeringで共通化した方が更新しやすくなります。
Hookを暗黙の設計判断にしない
Hookは便利ですが、自動で起きる処理です。設計判断や承認が必要なことをhookだけに入れると、team memberが気づかないまま挙動が変わります。
Specsは要求・設計・タスクの合意に使う
- Requirements
user storiesとacceptance criteria。
- Design
architectureと実装方針。
- Tasks
実行可能なchecklist。
- Execute
task単位で実装する。
Specは、AIに任せる前の合意形成のfileです。
KiroのFirst project guideでは、Specがfeature ideaをdetailed implementation planへ変換する3phaseとして説明されています。Requirements phaseではuser storiesとacceptance criteria、Design phaseではtechnical architectureとimplementation approach、Implementation phaseではdiscrete tasksが生成されます。
Specは、AIに実装を任せる前の合意fileです。特にチームでは、requirements、design、tasksをまとめてreviewするのではなく、phaseごとに止めます。
requirementsで見るもの
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| scope | 何を作り、何を作らないか |
| user story | 誰が何のために使うか |
| acceptance criteria | 完了条件がtest可能か |
| dependency | 他teamや外部APIの前提 |
designで見るもの
designでは、architecture、component、data model、API、security、migration、rollbackを見ます。Kiroが提案した設計が既存構成と合っているかを確認します。
tasksで見るもの
tasksは、実装のchecklistです。順序、依存関係、test、docs、rollbackを見ます。taskが大きすぎる場合は分割します。1taskが1PRでreviewできる大きさかを見ると扱いやすくなります。
Steeringはproject知識に使う
目的、domain、ユーザー。
framework、library、tool。
directory責務と境界。
coding規約やworkflow。
Steeringは、featureごとのspecではなくprojectの地図です。
Kiro公式docsでは、Steering filesを、projectに関するpersistent knowledgeをmarkdown filesで提供する仕組みとして説明しています。First project guideでは、Generate Steering Docsがrepositoryを分析し、.kiro/steering/ にproject steering documentsを作る流れが説明されています。
Steeringに向いているのは、featureごとに毎回説明したくないproject知識です。
Steeringに入れるもの
| 種類 | 例 |
|---|---|
| product | productの目的、ユーザー、domain用語 |
| technical stack | framework、library、runtime、test tool |
| project structure | directory構成、package責務、module境界 |
| conventions | naming、error handling、logging、review基準 |
| workflows | release、migration、test、docs更新 |
Steeringを長くしすぎない
Steeringは、Kiroが作業時に参照する知識です。社内規程の全文や古い議事録を入れる場所ではありません。長い文書はリンクし、Steeringには判断に必要な要点を残します。
Hooksは反復作業の自動化に使う
| 項目 | 内容 | 見方 |
|---|---|---|
| File events | created、saved、deletedで動く。 | |
| Prompt lifecycle | prompt submitやagent stopを見る。 | |
| Tool use | pre/post tool useで制御。 | |
| Spec tasks | pre/post task executionで動く。 |
Hookは便利ですが、何が自動で起きるかを説明できるようにします。
Kiro公式docsでは、Agent Hooksを、file created/saved/deleted、manual trigger、file pattern変更などに応じてpredefined agent actionsを実行する仕組みとして説明しています。First project guideでは、file events、prompt and agent lifecycle events、pre/post tool use、spec task eventsなどのevent typeが示されています。
Hookに向くのは、繰り返し発生し、判断より手順が中心の作業です。
Hookに向く作業
| trigger | 例 |
|---|---|
| file saved | React component保存時にtest stubを更新 |
| file created | 新規API route作成時にdocs雛形を作る |
| spec task | task実行後にchecklistやtestを更新 |
| manual trigger | release note draftを生成する |
Hookに向かない作業
設計承認、security exception、production deploy、secret更新、database migrationの本番実行はhookへ入れません。自動化するほど便利ですが、人間の判断が必要なものはreview gateを残します。
MCP Serversは外部toolの入口にする
| 項目 | 内容 | 見方 |
|---|---|---|
| Docs | 外部docsやknowledge source。 | |
| Database | schemaやqueryを扱う。 | |
| API | GitHubや社内APIに接続。 | |
| Security | secretとwrite権限を確認。 |
MCP追加は、Kiroへ新しい操作能力を渡す判断です。
Kiro docsでは、MCP Serversをexternal tools and data sourcesへ接続する機能として説明しています。Kiroのsiteでも、docs、databases、APIsなどへnative MCP supportで接続できると説明されています。
MCP Server追加は、Kiroに新しい操作能力を渡す判断です。SpecやSteeringは文脈ですが、MCPはtoolです。database、GitHub、observability、docs、internal APIへ接続する場合、read-onlyかwrite可能か、secretはどこにあるか、tool callを監査できるかを確認します。
MCP追加前の確認
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 接続先 | docs、database、GitHub、社内API |
| 権限 | read-onlyかwrite可能か |
| secret | tokenやAPI keyの置き場所 |
| scope | projectだけか、globalか |
| audit | tool callや外部接続の記録 |
MCPの更新や認可の確認は、MCP更新で壊さないための確認手順でも整理しています。KiroにMCPを追加する時も、server名、tool一覧、権限、失敗時の戻し方を確認します。
Powersは配布可能なbest practiceにする
activationとguidanceを持つ。
optionalなMCP設定。
domain知識を同梱。
validationやworkflowを含める。
Powerは便利なbundleですが、公開・共有前に権限をreviewします。
Kiro Powers docsでは、Powerをbest practices from dev tool providers and domain expertsをencapsulateする仕組みとして説明しています。Powerには POWER.md、optionalな mcp.json、steering、hooksなどを含められます。
Powerは便利なbundleです。ただし、MCP、Steering、Hooksをまとめられるということは、文脈、tool権限、自動化をまとめて配るということでもあります。
Powerに向くもの
| 種類 | 例 |
|---|---|
| documentation-only | framework patternsやcomponent rules |
| single-tool | 1つのMCP serverと使い方 |
| domain pack | database setup、API integration、deploy手順 |
| validation pack | hooksでlint/test/docs確認を補助 |
共有前に見るもの
Powerをteamへ配る前に、含まれるMCP server、hook、steeringの内容をreviewします。公開GitHub repositoryからinstallする場合は、配布元、更新頻度、権限、secretの扱いも確認します。
Spec phaseごとにreview gateを置く
| 項目 | 内容 | 見方 |
|---|---|---|
| Requirements | 目的、scope、acceptanceを確認。 | |
| Design | architectureと影響範囲を確認。 | |
| Tasks | 順序、test、rollbackを確認。 | |
| Implementation | diff、tests、risksを確認。 |
全部できてからreviewせず、phaseごとに止めます。
Kiroをチームで使う時の肝は、実装後にまとめてreviewするのではなく、Spec phaseごとにreviewすることです。
| phase | reviewすること | NG例 |
|---|---|---|
| Requirements | scope、acceptance criteria、非対象範囲 | 完了条件が曖昧 |
| Design | architecture、data、API、security | 既存構成と違う設計 |
| Tasks | task粒度、順序、test、rollback | 1taskが大きすぎる |
| Implementation | diff、tests、risks、not run | specとdiffがずれる |
reviewを軽くするコツ
requirementsはPM/EMも見られる言葉にします。designは実装者とreviewerが見る技術文書にします。tasksはPR単位へ落とします。roleごとに見るfileを分けると、reviewが軽くなります。
最小構成の始め方
| 項目 | 内容 | 見方 |
|---|---|---|
| One spec | 小さなfeatureでspecを作る。 | |
| Three steering | product、tech、structureを作る。 | |
| No MCP | 初回はtool追加を避ける。 | |
| One hook | docsやtest補助だけ試す。 |
初回はspecとsteeringを先に整え、tool権限は後から足します。
最初は、MCPやPowerを入れず、SpecとSteeringだけで始めます。
最初の構成
.kiro/
steering/
product.md
tech.md
structure.md
specs/
small-feature/
requirements.md
design.md
tasks.md
product.md にはproductの目的、tech.md にはframeworkやtest tool、structure.md にはdirectory責務を書きます。Specは小さなfeatureに限定し、requirements、design、tasksを人間がreviewします。
初回に入れないもの
- write可能なMCP server
- production databaseへの接続
- deploy hook
- 複雑なPower
- 大きなfeatureの一括実装
最初は、Kiroがspecを作り、それをteamがreviewできるかを見るのが目的です。
導入初週の進め方
- 1日目
Generate Steering Docsを試す。
- 2日目
小さなSpecを作る。
- 3日目
requirementsとdesignをreview。
- 5日目
task単位で実装を進める。
- 7日目
hooksとMCP候補をreview。
初週は実装速度より、specがreviewできるかを優先します。
導入初週は、コード量を増やす週ではありません。Specが合意fileとして機能するかを確かめる週です。
| 日 | やること | 完了条件 |
|---|---|---|
| 1日目 | Generate Steering Docsを試す | product、tech、structureが分かれる |
| 2日目 | 小さなSpecを作る | requirementsがtest可能に書ける |
| 3日目 | requirementsとdesignをreview | scopeとarchitectureに合意できる |
| 5日目 | tasksを小さく分ける | 1taskがreview可能な粒度になる |
| 7日目 | hooksとMCP候補をreview | 自動化とtool権限を説明できる |
拡大する条件
- requirementsが曖昧なまま実装へ進んでいない
- designに既存構成との関係が書かれている
- tasksがtestと結びついている
- Hooksで何が自動実行されるか説明できる
- MCP Serverの権限を説明できる
この条件を満たしてから、対象featureやteamを増やします。
FAQ
合意が必要ならSpecにする。
project知識かfeature計画かで分ける。
反復作業だけ自動化する。
外部toolの権限として扱う。
迷ったら、実装前に誰がreviewする情報かを見ます。
Specと普通のchatはどう分けますか
調査や軽い修正はchatで十分です。要求、設計、taskを残してreviewしたいfeatureはSpecにします。複数人が関わる変更ほどSpecに向いています。
SteeringとSpecはどう分けますか
Steeringはproject横断の知識です。Specはfeature固有の計画です。coding規約やdirectory構成はSteeringへ、featureのacceptance criteriaやtaskはSpecへ置きます。
Hookは最初から入れるべきですか
最初は1つだけにします。docs更新やtest stub生成のような軽いものから始め、production deployやsecret操作はhookに入れません。
MCP Serverはいつ追加しますか
SpecとSteeringだけでは足りない外部toolが明確になってから追加します。database、GitHub、observabilityなどへ接続する場合は、read-onlyかwrite可能かを先に確認します。
他のagent導入にも使えますか
使えます。KiroのSpec phase reviewは、Codex、Claude Code、Cursorなどで大きなtaskを扱う時にも応用できます。repo共通の基準は、チーム向けAGENTS.mdテンプレートと組み合わせると管理しやすくなります。
次に読むなら
参照した主な情報源
- AWS Documentation Overview: Kiro
https://aws.amazon.com/documentation-overview/kiro/
- Kiro Docs: Get started
https://kiro.dev/docs/
- Kiro Docs: Your first project
https://kiro.dev/docs/getting-started/first-project/
- Kiro: Bring engineering rigor to agentic development
https://kiro.dev/
- Kiro Docs: Create powers
https://kiro.dev/docs/powers/create/
次に読むなら
更新履歴
- 2026年5月31日
Kiro公式docsとAWS documentation overviewを確認して初版を作成しました。
導入時には公式docsと利用中のKiro versionを確認してください。
- 2026年5月31日: Kiro公式docsとAWS documentation overviewを確認し、初版を作成しました。
