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OSS LLMを開発業務に使う判断基準:ローカルコードレビュー・RAG・コストの現実

OSS LLMを開発業務に使う判断基準:ローカルコードレビュー・RAG・コストの現実の要点をタイトルと確認軸で示すアイキャッチ

3行まとめ

このテーマをもう少し広げて見るなら、Ollamaでローカルコードレビューを回す前に:qwen2.5-coder:1.5bの失敗ログで見る限界GLM-5.1をAIコーディングで試す前に:open-weight・200K文脈・APIコストの確認ポイント も合わせて確認してください。OSS/Open-weight LLMをローカルコードレビューに使う判断を、実際の小型モデル検証ログで補える。

Visual導入判断の4つの入口モデルを選ぶ前に、用途、権利、基盤、制約を分けて確認します。
用途

コードレビュー、RAG、エージェント実行を分けて評価します。

権利

商用利用、再配布、派生モデル、出力利用を確認します。

基盤

個人検証かチーム共通APIかで実行基盤を変えます。

制約

GPU、文脈長、ログ、レビュー工数を導入条件に入れます。

OSS/Open-weight LLMは、モデル性能だけでなく運用条件まで含めて判断します。

  • OSS/Open-weight LLMは、まず「何に使うか」と「そのモデルを業務で使えるライセンスか」を分けて確認します。
  • 2026年5月29日時点の一次情報では、Qwen3-CoderはApache 2.0として配布される一方、MistralのCodestral 24.05はMNPLで非商用・研究利用向けの扱いです。
  • ローカル実行は情報管理に有利ですが、GPU費、文脈長、運用監視、レビュー工数まで含めると、常に安い選択肢とは限りません。

本文の事実確認には、公式ドキュメント、公式ヘルプ、関連する仕様・SDKドキュメントを使っています。実リポジトリでの性能ベンチマークや更新代行は、本文で明記した場合を除き実施していません。

この記事でわかること

Visual読後に判断できること導入前に迷いやすい論点を、確認順序としてまとめます。
確認順序

用途より先にライセンスを確認する流れを作れます。

基盤選定

OllamaとvLLMを用途別に見分けられます。

総コスト

GPU代以外の評価、監視、レビュー工数を見積もれます。

停止条件

導入しないほうがよいケースを事前に定義できます。

モデル名の比較だけではなく、業務で続けられるかを見ます。

  • OSS LLMとOpen-weightモデルを業務利用するときの確認順序
  • ローカルコードレビュー、RAG、エージェント実行で見るべき違い
  • OllamaとvLLMを同じ土俵で比べない理由
  • ライセンス、コンテキスト長、GPU、運用工数が導入判断へ与える影響
  • 導入しないほうがよいケースと、最初の30日で試すべき範囲

前提知識

Visual呼び名より確認する中身OSS LLMという言葉を、業務利用で必要な確認項目へ分解します。
  1. 1重み

    モデルの重みを入手できるかを確認します。

  2. 2推論コード

    実行に必要なコードやテンプレートを確認します。

  3. 3モデルカード

    用途、制限、評価、注意点を読みます。

  4. 4ライセンス

    商用利用、再配布、派生物の扱いを確認します。

OSSという呼称だけでは、業務利用できるかは判断できません。

OSS LLMとOpen-weightは同じ意味ではない

開発現場では「OSS LLM」という言葉が広く使われますが、実務導入では少し雑です。ソースコード、学習コード、学習データ、重み、推論コード、モデルカード、ライセンスのどこまでが公開されているかはモデルごとに違います。

そのため、この記事では厳密に「OSS」と断定せず、重みが入手できるモデルを含めて「OSS/Open-weight LLM」と呼びます。重要なのは呼び名よりも、業務で使う権利、入力データの扱い、出力物の扱い、再配布や社内サービス組み込みの可否です。

ローカル実行は安全そのものではない

ローカルで動かせば、コードを外部APIへ送らずに済む可能性があります。これは大きな利点です。ただし、ローカル実行は「何を読み込ませても安全」という意味ではありません。

たとえば、秘密情報を含む.env、顧客データ、未公開の脆弱性情報、契約上の制限があるコードを丸ごとプロンプトへ入れれば、ローカルでもログや共有端末、キャッシュ、RAG索引、評価データに残るリスクがあります。安全性は実行場所だけでなく、入力範囲、保存先、権限、ログ、共有方法で決まります。

まず用途を3つに分ける

Visual用途別の初期評価ローカルコードレビュー、社内RAG、エージェント実行で見る点を分けます。
項目内容見方
コードレビューPR差分、関連テスト、設計メモだけで根拠ある指摘が出るかを見ます。
社内RAG回答に根拠文書と更新日を出せるかを見ます。
エージェント実行read-onlyで操作ログを残せるかを見ます。

用途を混ぜると、モデルの問題か権限設計の問題かが追いにくくなります。

OSS/Open-weight LLMを開発業務に使う場合、最初に分けるべき用途は次の3つです。

用途期待できること初期検証で見ること失敗しやすい点
ローカルコードレビュー差分要約、観点漏れチェック、テスト不足の指摘小さなPR差分で再現性を確認repo全体の設計意図を読み違える
社内RAG仕様書、ADR、障害ログ、運用手順の検索補助参照元URL、更新日、回答根拠を出せるか古い文書を根拠にする
エージェント実行ファイル読み取り、修正案作成、テスト実行補助read-onlyから始め、操作ログを残すtool権限が広すぎる

ローカルコードレビュー

ローカルコードレビューは、OSS/Open-weight LLMの最初の検証対象として扱いやすい領域です。理由は、入力をPR差分や数ファイルに限定でき、失敗しても本番環境へ直接影響しにくいからです。

最初の検証では、repo全体を読ませるよりも、1つのPR差分、関連するテスト、設計メモだけを渡します。評価観点は「重大なバグを見つけたか」だけにしません。要約の正確さ、根拠ファイルの指定、不要な書き換え提案の少なさ、レビューコメントとして人間が使えるかを見ます。

社内RAG

RAGは、モデル単体の知識ではなく、社内文書やリポジトリ内ドキュメントを検索して回答する仕組みです。OSS/Open-weight LLMを使う利点は、社内文書を外部APIへ出さずに処理できる構成を作れることです。

ただし、RAGで問題になるのはモデルの賢さだけではありません。どの文書を索引化するか、古い文書をどう無効化するか、回答に根拠を出すか、秘密情報を検索対象から外すかが重要です。モデルを替える前に、検索品質と文書管理を直すだけで改善するケースもあります。

エージェント実行

エージェント実行は、最も便利で、最も事故りやすい用途です。ファイルを読み、コマンドを実行し、テストを直し、外部サービスを呼ぶ構成では、モデル性能より先に権限設計が必要です。

最初はread-onlyにします。ファイル一覧を読む、差分を見る、テストログを読む、修正案を文章で返すところまでです。実ファイルの編集、依存関係追加、DB接続、外部API呼び出し、GitHubへのコメント投稿は、人間承認を挟む別段階として扱います。

モデル選定はライセンスから始める

Visualライセンス確認チェックベンチマークを見る前に、業務利用できる条件かを確認します。
項目内容見方
商用利用LICENSE、model card、公式FAQを確認します。
派生モデル量子化版や第三者配布版の説明を確認します。
再配布社内ミラーや製品同梱が許されるかを見ます。
顧客コード顧客契約や社内規程と矛盾しないかを確認します。

コード向けモデルでも、業務利用できるとは限りません。

モデル選定でよくある失敗は、ベンチマーク表を見てからライセンスを読むことです。業務利用では逆です。まず、ライセンスとモデルカードを読みます。

Qwen3-Coderの確認ポイント

根拠

Qwen Teamの公式ブログは、Qwen3-Coder-480B-A35B-Instructを480BパラメータのMixture-of-Expertsモデル、35B active parameters、256K tokensのnative context、YaRNによる1M tokensへの拡張可能性を持つモデルとして紹介しています。コード生成だけでなく、agentic coding、browser-use、tool-useを意識したモデルです。

Hugging Face上のQwen3-Coder-480B-A35B-Instructは、確認時点でLicenseがapache-2.0と表示されています。これは業務導入候補として扱いやすい材料ですが、実際に使うときは対象の具体的なモデル、派生量子化版、配布元、モデルカード、ライセンスファイルをセットで確認してください。

注意点

特に、第三者が変換したGGUFや量子化版を使う場合、元モデルのライセンスだけでなく、配布元の説明、変換内容、プロンプトテンプレート、tool calling対応の有無まで確認します。

Codestralの確認ポイント

根拠

Mistral AIのCodestral 24.05は、公式モデルカードでcoding/FIM向け、32k context、MNPL licenseとして説明されています。また同ページではretirement dateも示されています。MistralのMNPL説明では、このライセンスが非商用目的と研究支援のためのものだと説明されています。

業務利用前の条件

ここから得られる実務上の教訓は、「コード向けモデル」と書かれていても、商用プロダクトや顧客案件へそのまま使えるとは限らない、という点です。社内検証、研究、個人実験では使えても、受託開発、SaaS、商用CI、顧客コードレビューに組み込む場合は別の契約やAPI利用が必要になることがあります。

ライセンス確認表

確認項目見る場所NGになりやすい例
商用利用LICENSE、model card、公式FAQ非商用・研究用途に限定
派生モデル配布元のmodel card元モデルと違う制限が追加されている
出力利用license、terms、acceptable use出力物の商用利用が曖昧
再配布LICENSE、weights配布条件社内ミラーや製品同梱に制限
顧客コード利用契約、DPA、社内規程顧客データの二次利用禁止に抵触

実行基盤はOllamaとvLLMで役割が違う

Visual実行基盤の使い分け個人検証とチーム運用では、必要な基盤が変わります。
項目内容見方
Ollama手元の小さな検証やローカルAPIの入口として扱いやすい選択肢です。
vLLM社内アプリから呼ぶ共通APIやサービング基盤の検討対象です。
共通点モデル、ログ、アクセス制御、更新手順は別途設計が必要です。

手元で動くことと、チームで運用できることは別です。

OllamaとvLLMは、どちらもローカル/自社環境でLLMを扱う時に名前が挙がります。ただし、同じ用途の単純な競合として見ると判断を間違えます。

Ollamaは個人検証と小さなローカル実行の入口

確認項目

Ollamaの公式ドキュメントは、macOS、Windows、Linuxで大規模言語モデルを動かす入口として、Quickstart、Download、API reference、Python/JavaScriptライブラリを案内しています。開発者が手元でモデルを試し、ローカルAPIとして小さな検証を始めるには扱いやすい選択肢です。

注意点

一方で、チーム全体の共通推論基盤として使うなら、モデル配布、バージョン固定、ログ、アクセス制御、GPU共有、利用上限、監視、障害対応を別途設計する必要があります。手元で動いたことと、組織で運用できることは別です。

vLLMはサービングと運用設計の入口

根拠

vLLMの公式ドキュメントは、LLM inference and servingのライブラリとして説明し、PagedAttention、continuous batching、prefix caching、各種量子化、OpenAI互換API、200以上のHugging Faceモデルアーキテクチャ対応を掲げています。

運用条件

複数人が同じモデルを使う、社内アプリからAPIとして呼ぶ、RAGやレビューbotへ組み込む、GPUを共有する、といった用途ではvLLMのようなサービング基盤を検討する価値があります。ただし、vLLMを入れると運用も増えます。GPUノード、Docker、モデルキャッシュ、リクエスト制限、障害時のフォールバック、プロンプトログの扱いを決めなければなりません。

観点OllamavLLM
初期検証始めやすい環境準備が重め
個人開発向いている過剰になりやすい
チーム共通API別設計が必要主用途に近い
同時実行小規模向け設計対象
監視・運用自前で補う自前で設計するが拡張しやすい
判断基準まず試す継続運用する

コストはGPU代だけでは決まらない

Visual総コストに入れる項目API課金の有無だけでなく、運用に残る費用を見ます。
GPU

モデルサイズ、量子化、context lengthで必要量が変わります。

評価

自社タスクに近い評価データ作成が必要です。

運用

監視、障害対応、モデル更新、利用上限を設計します。

レビュー

生成結果を人間が確認する時間も費用に入れます。

ローカル実行は従量課金を避けられても、運用コストは消えません。

OSS/Open-weight LLMは「API課金がないから安い」と言われがちです。これは半分だけ正しいです。ローカルで動かせば、外部APIの従量課金は避けられます。しかし、GPU、電力、マシン確保、モデル更新、障害対応、評価データ作成、レビュー工数は残ります。

コンテキスト長とKV cacheが効く

注意点

コードレビューやRAGでは、長い文脈を入れたくなります。Qwen3-Coderのように長いcontextを掲げるモデルは魅力的です。ただし、長いcontextを実運用で使うと、メモリ、KV cache、応答時間、スループットへ影響します。

評価基準

「256Kまで入る」ことと「毎回256Kを入れて快適に回せる」ことは違います。実務では、差分、関連ファイル、設計文書、テストログを絞り、必要な根拠だけを渡すほうが安定します。大きなcontextは保険であり、設計を雑にしてよい理由にはなりません。

評価データ作成も費用

モデル導入の隠れコストは、評価データ作成です。実務で使えるかを見るには、自社の典型PR、バグ修正、テスト失敗ログ、ドキュメント検索質問、禁止すべき出力例を集める必要があります。

この作業を飛ばすと、SNSで評判のモデルを入れたのに、自社のTypeScript monorepoではテスト修正が弱い、日本語仕様書の読み違いが多い、古いADRを根拠にする、といったズレが起きます。

セキュリティはread-onlyから始める

Visual権限を段階的に広げる最初から編集や外部投稿を許可せず、確認できた範囲だけ広げます。
  1. 1差分を読む

    PR差分と関連資料だけを入力します。

  2. 2下書きを返す

    レビュー案やRAG回答を人間が確認します。

  3. 3編集を承認

    ファイル編集は承認後の別段階にします。

  4. 4外部操作を分離

    PR投稿、DB更新、クラウド操作はさらに分けます。

ローカル実行でも秘密情報や外部操作の境界は必要です。

OSS/Open-weight LLMを使う理由の1つは、非公開コードを外部APIへ出さずに済む可能性です。だからこそ、ローカル実行でも権限は絞ります。

コードレビューは差分だけ渡す

入力範囲

最初のコードレビュー検証では、非公開repo全体を渡さず、PR差分、関連テスト、該当仕様の抜粋だけにします。秘密情報、顧客データ、生成物、vendor、lockfileの巨大差分は除外します。

レビュー基準

レビュー結果には、指摘、根拠ファイル、重大度、再現条件、テスト案を出させます。モデルの出力をそのままPRコメントに投稿せず、人間が読む下書きとして扱います。

RAGは索引化対象を絞る

RAGでは、検索対象に入れた文書があとから漏れやすい資産になります。社内wiki、障害ログ、顧客別仕様、議事録、設計メモをまとめて入れる前に、公開範囲、機密区分、更新責任者、削除手順を決めます。

最初は、公開しても問題が小さい開発手順、ADR、技術仕様、運用Runbookの一部から始めます。回答には必ず根拠文書と更新日を出させ、根拠がない回答は「不明」と返す設計にします。

Tool/Agentは人間承認を挟む

エージェント化する場合は、ファイル読み取り、コマンド実行、ファイル編集、外部API、DB更新を段階に分けます。read-onlyで成功したからといって、write権限や外部通信を一気に渡さないほうがよいです。

MCPやtool callingを使う場合も同じです。Resourceやread-only toolから始め、Issue作成、ラベル変更、PRコメント、DB更新、クラウド操作は人間承認の対象にします。詳しい権限設計はSecurityカテゴリと相性がよいテーマです。

失敗条件を先に決める

Visual失敗ログに残す項目便利だったかどうかではなく、再検証できる形で記録します。
項目内容見方
入力差分、文書、ログ、プロンプトの範囲を残します。
モデルモデル名、量子化、実行基盤を記録します。
結果使えた点と使えなかった点を分けます。
次回条件何を変えれば再検証するかを残します。

失敗条件を先に決めると、モデル変更時の比較がしやすくなります。

導入検証で一番困るのは、「なんとなく便利だった」で終わることです。OSS/Open-weight LLMは、成功条件より先に失敗条件を決めておくと判断しやすくなります。

日本語仕様の読み違い

日本語の仕様書、顧客要望、社内用語、略語が多い環境では、モデルが自然に見える誤解をします。読み違いが起きた場合は、モデルが悪いと片付ける前に、仕様書の粒度、RAGの検索結果、プロンプト、用語集の不足を分けて記録します。

大規模repoで文脈が足りない

大規模repoでは、必要なファイルを選ぶ能力が重要になります。context lengthが長くても、関連ファイルの探索に失敗すれば、回答は外れます。評価では「最終回答」だけでなく、「どのファイルを見たか」「どのファイルを見なかったか」を残します。

生成コードの責任境界が曖昧

生成コードを人間がレビューしないまま取り込む運用は避けます。特に認証、課金、DB migration、権限チェック、外部API、暗号、ログ出力、エラー処理は、人間レビューとテストを必須にします。

失敗ログは、次の形式で残すと再検証しやすくなります。

項目記録内容
タスク何を依頼したか
入力差分、文書、ログ、プロンプトの範囲
モデルモデル名、量子化、実行基盤
結果使えた点、使えなかった点
失敗理由文脈不足、ライセンス不適合、速度不足、誤回答、権限過多
次回条件何を変えれば再検証するか

実務で使うなら

Visual30日パイロットの進め方本番導入の前に、小さな検証で判断材料を作ります。
  1. 1週目

    ライセンス、モデルカード、用途を確認します。

  2. 2週目

    秘密情報を含まない評価セットを作ります。

  3. 3週目

    Ollama、vLLM、クラウドGPUなど実行基盤を選びます。

  4. 4週目

    read-onlyでログを取り、次の権限段階へ進むかを判断します。

最初の月は、便利さよりも再現性と停止条件を優先します。

最初の30日は、モデルを本番運用へ入れず、社内の小さな検証として進めます。

1週目: ライセンスと用途を決める

候補モデルを3つ以内に絞り、ライセンス、モデルカード、配布元、実行基盤、想定用途を表にします。商用利用が曖昧なモデルは、この時点で本番候補から外します。

2週目: 小さな評価セットを作る

実際の業務に近いが、秘密情報を含まないPR差分、テスト失敗ログ、仕様質問、運用手順を10件ほど用意します。評価は、正解率だけでなく、根拠、レビューしやすさ、誤回答の危険度で見ます。

3週目: 実行基盤を決める

個人検証ならOllama、チーム共通APIならvLLMや同等のサービング基盤を検討します。GPUを買うか、クラウドGPUを借りるか、既存のLLM APIと併用するかを、利用頻度とセキュリティ要件で決めます。

4週目: read-only運用でログを取る

ファイル編集や外部投稿は許可せず、レビュー下書き、RAG回答、テストログ要約だけを実行します。人間が採用した指摘、捨てた指摘、危険だった出力を記録し、次の月にwrite権限へ進むかを判断します。

AIコーディングツールを公平に測る型を作る場合は、将来的にAI Coding Benchmark Kitのような再現用テンプレートへ接続すると、モデル変更時の比較が楽になります。更新通知を追いたい場合は、ニュースレターも使えます。

セキュリティ・コスト注意

Visual導入前に止めて確認すること秘密情報、ライセンス、RAG索引、GPU、レビュー責任を確認します。
秘密情報

APIキー、顧客データ、未公開情報を評価入力に混ぜません。

ライセンス

派生モデルや量子化版も確認対象にします。

索引

RAGの検索対象と削除手順を決めます。

責任

生成コードは人間レビューとテストを通します。

ローカルで動かす場合も、情報管理とレビュー責任は残ります。

  • APIキー、.env、顧客データ、非公開の脆弱性情報は、ローカル実行でも評価入力に混ぜない。
  • モデルのライセンス、派生モデル、量子化版、利用規約を確認し、商用利用が曖昧な場合は業務候補にしない。
  • RAG索引は「検索できる秘密情報の集合」になるため、削除手順とアクセス権を決める。
  • GPU費だけでなく、評価データ作成、運用監視、レビュー工数、障害対応をコストに入れる。
  • エージェント化する場合は、read-only、write、外部通信、DB更新、PR投稿を段階分けする。
  • 生成コードは、認証、課金、DB、権限、ログ、外部APIの変更では必ず人間レビューを通す。

導入しないほうがよいケース

Visual導入を急がない条件準備不足のまま進めると、便利さよりリスクが上回ります。
項目内容見方
ライセンス担当なし商用利用や再配布の判断が曖昧になります。
評価データなし自社業務で使えるか判断できません。
秘密情報分類なしRAGやログに機密情報が混ざりやすくなります。
レビュー省略生成コードの責任境界が崩れます。

止める条件を明確にしておくと、導入判断が感覚論になりません。

次の条件に当てはまるなら、OSS/Open-weight LLMの業務導入は急がないほうがよいです。

条件理由
ライセンス確認を誰も担当しない商用利用や再配布の判断が曖昧になる
評価データを作れない「便利そう」以上の判断ができない
秘密情報の分類がないRAGやログに機密情報が混ざりやすい
GPU運用担当がいない障害時に開発フロー全体が止まる
人間レビューを省きたい生成コードの責任境界が崩れる
速度だけで選びたい品質、ライセンス、セキュリティを見落とす

FAQ

Visualよくある判断ミス導入前に誤解しやすい点を短く確認します。
OSSなら商用可

モデルごとに違うため、LICENSEとmodel cardを確認します。

ローカルなら安全

ログ、キャッシュ、索引、評価データに残る可能性があります。

fine-tuningが先

多くのチームでは、まずRAGと根拠提示を整えます。

GPUなしは無理

小さいモデルと短い差分なら、事前評価は進められます。

判断に迷ったら、用途、ライセンス、入力範囲、レビュー責任へ戻ります。

OSS LLMなら商用利用してよいですか

モデルごとに違います。Qwen3-CoderのようにApache 2.0として表示されるものもあれば、Codestral 24.05のようにMNPLで非商用・研究用途向けのものもあります。モデル名ではなく、対象バージョンのLICENSE、model card、公式FAQを確認してください。

ローカル実行なら社内コードを入れてよいですか

自動的にOKにはなりません。ローカルでも、ログ、キャッシュ、RAG索引、評価データ、共有端末、画面共有、バックアップに残る可能性があります。入力範囲を絞り、秘密情報を除外し、保存先を決めてから使います。

RAGとfine-tuningはどちらが先ですか

多くの開発チームではRAGが先です。仕様、ADR、Runbook、障害ログは更新されるため、fine-tuningより検索対象の整備と根拠提示のほうが効果を測りやすいです。fine-tuningは、十分な評価データと継続運用の理由ができてから検討します。

GPUなしでも検証できますか

できます。ただし、大きなモデルや長いcontextは現実的ではない場合があります。最初は小さいモデル、短い差分、RAGの検索品質、ライセンス確認、評価表作成から始めると、GPU購入前に判断材料を作れます。

クラウドLLM APIより安くなりますか

利用頻度、モデルサイズ、GPU単価、運用工数、監視、障害対応、評価コスト次第です。外部API課金だけを見るとローカルが安く見えますが、チーム運用では総コストで比較する必要があります。

次に読むなら

OSS LLM / Open-weight Models

ローカルLLM、モデルライセンス、RAG、コード生成用途の検証記事を追うカテゴリです。

検証・ベンチマーク

モデルやAIコーディングツールを同じ条件で測るための評価軸を整理する固定ページです。

Security

非公開コード、APIキー、権限、承認フローを扱う前に確認したい記事群です。

比較表

AI開発ツールを導入判断する際に、機能、コスト、運用条件を並べて見る入口です。


次に読むなら

参照した主な情報源

  • Qwen Team「Qwen3-Coder: Agentic Coding in the World」

https://qwenlm.github.io/blog/qwen3-coder/

  • Qwen3-Coder-480B-A35B-Instruct Hugging Face LICENSE

https://huggingface.co/Qwen/Qwen3-Coder-480B-A35B-Instruct/blame/main/LICENSE

  • Ollama Documentation

https://docs.ollama.com/index

  • vLLM Documentation

https://docs.vllm.ai/en/stable/

  • Mistral AI Codestral model card

https://docs.mistral.ai/models/model-cards/codestral-24-05

  • Mistral AI Non-Production License announcement

https://mistral.ai/news/mistral-ai-non-production-license-mnPL/

更新履歴

Visualこの記事の確認履歴古くなりやすいモデル情報を、確認日と更新理由で追えるようにします。
  1. 2026年5月29日

    Qwen3-Coder、Ollama、vLLM、Codestral、Mistral MNPLを確認して初稿を作成しました。

導入時には、対象モデルとライセンスの最新情報を再確認します。

日付内容
2026年5月29日初稿。Qwen3-Coder、Ollama、vLLM、Codestral、Mistral MNPLの一次情報を確認し、導入判断ガイドとして作成